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評価:
梨木 香歩
新潮社
¥ 420
(2001-07)
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中学校に馴染めず
不登校しているまいは
母の実家である家で
おばあちゃんとしばらく暮らすことに。
自然に囲まれ、不思議で魅力的なおばあちゃんとの日々。
ある日、自分たちの家系に流れる不思議な能力の話を
おばあちゃんから聞いたまいは
「魔女」修行をはじめることにした・・・。
「魔女」になる修行というと何だか怪しげだが
言い換えれば、日々意識的に生きる、ということ。
現代の社会で生きるために。
誰にもあてはまり、有効な、修行。
おばあちゃんはまいに
いたいのなら、ここにいつまででもいていいのだ、と言う。
でも、まいは直感でそうはならないと感じる。
だからこそ、
自然に囲まれ人からも離れて暮らせるような
おばあちゃんの家ではなく、
外の世界に関わって行こうとするからこそ、
必要なもの、魔女修行。
おばあちゃんの、人との関わり方がとてもすてき。
まいのことを、一人の女性として扱っていて。
暖かく見守り、包む。
近所に住む、変わり者ゲンジへも
平等に接する。
一見、こどもに対して、それは厳しいのでは
と、思うような対応だったりするのだけど。
その場しのぎではない、
相手を本当に思うからこその対応をする。
ラストシーンは感動。泣ける。
生きるとは。死とは。
大切なことがたくさん書かれた、すばらしい作品。